マンガ「正直不動産」を読んでみた感想
私よしおは現在不動産会社のサラリーマンです。
取引のある会社の担当から「面白いマンガありますよ」と勧められたのが、「正直不動産」というマンガでした。
同じ業界に身を置く人間としては興味があったので、早速Amazonで買ってみました。
ちょっとネタバレになりますが、簡単にあらすじを書くと、とある不動産会社に勤めるトップ営業マン・永瀬財地(ながせさいち)が、ある祠を壊したことの祟りで嘘がつけなくなってしまい、正直なことだけを話す不動産営業マンとして奮闘するストーリーです。
実際同じ立場で仕事をしていますが、読んでみた感想としては、よく取材をされているなと感じました。
少し前に、北川景子さんが主演で「家売る女」というドラマがやっていましたが、だいぶ誇張された感じだったので、もう少し業界の内情に近いテイストになっています。
「不動産業界は千三つだ」いうフレーズが出てきましたが、私は3年前に転職して不動産業界に入ったので初めて聞いた言葉でした。
千三つというのは、千の中に三つしか本当のこと、真実がない、という意味です。それだけ不動産屋は嘘つきである、という意味になります。
この業界にいると、やっぱり信用されていないんだなって感じる部分もあります。
バブルのころのイメージなどもあり、信用というよりは警戒しているって感じでしょうか。
どの業界でも営業となると、そうなのかもしれませんけどね他の業界よりも度合いが大きいように感じます。
実際には、嘘をつくというよりも本音と建前を使い分けている割合が大きい、といった感じですね。
どのようなコミュニティにいても、多かれ少なかれ本音と建前を使い分けて生活していると思います。
ただ、不動産取引の場合、大家さんなどを除いて、一般の人は知識もほとんどなく何が正しいのかわからない素人がほとんどです。
なので、この人は知らないだろうな、気付いてないだろうなって場合、あえてその部分には触れずにいることもあるのです。
例えば、営業サイドからの考え方だと、お客様が気に入った物件があったとして、それをわざわざ潰すようなことはしません。デメリットは伝えますが、なるべくそう感じないように伝えるのです。
不動産営業の仕事は成果報酬のため、契約に至らないと一銭にもならないので、余計なことを言わずに気に入ったものを買っていただけるなら越したことはないわけです。
本当は高額な手数料を頂くわけで、顧客の損失になるようなことであれば伝えた方が親切なわけですけどね。
(事故物件かどうか、という話ではありません。事故物件などは法律上伝えなければならないことです)
実際、取引でトラブルになるかならないかは、程度の差になるので、営業マンのモラル次第って感じです。
ただ、不動産に限らず何でもそうだと思いますが、知らずにいることは余計にお金がかかります。
もし、部屋を借りる機会や、家を売ったり買ったりする機会が近々ありそうなら、知識を得るためにも一度読んでみてもいいかもしれません。
知っているか、そうでないかだけで損をせずに得することって山ほどありますから。
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